| 「 | それも仕方のないことです、あなたのほうは私を知らないのですから。でも、私はあなたのことを知っています。これも不思議な縁ですね。 まさかこんな場所であなたと再会するなんて。正直、もう二度と会うことはないと思っていました。 |
」 |
| ——坂柳有栖 | ||
坂柳有栖(日本語:さかやなぎ ありす)は衣笠彰梧執筆したライトノベル《ようこそ実力至上主義の教室へ》およびその派生作品の登場人物。
高度育成高等学校1年Aクラスの生徒、学籍番号S01T004737。
色白で可愛らしい容姿、質感のある銀髪そして不思議の国から来たかのような名前(有栖/Alice)、それに加えて先天性の心疾患を抱える病弱身体は、周囲の人々にどこか儚げで不思議な雰囲気を感じさせる。普段は椅子に静かに座っており、移動の際は杖を必要とする。普段はカフェで過ごすことを好む。でも心臓が悪いのにコーヒーを飲んで本当に大丈夫?
並外れて優秀な成績を持つ天才少女、一切の運動を禁じられているため、身体能力に関わる全ての競技や試験項目において「不戦敗」となり、そのことで迷惑をかけた仲間に謝罪の言葉を述べることもある。
性格は沈着冷静で、底知れない思考能力を持ち、Aクラスの生徒たちから絶大な信頼を寄せられている。
学校評点:学力A、知能A、判断力A、体育能力E-、協調性C+。
アニメ12話のラストの字幕によれば、坂柳のプライベートポイントは352037ポイント。
は坂柳理事長の娘であり、綾小路の過去のホワイトルームでの経歴を知っている。

| 「 | 邪魔されたくないの…… 偽りの天才を葬ること、それは私にこそ相応しい。 |
」 |
| ——坂柳有栖 | ||
可愛らしい容姿に加え、身体的な理由であまり表舞台に立たないため、面識のない者には温和な印象を与えることが多いが、実際には強力な思考能力を持ち、極めて好戦的で腹黒く、同じクラスのもう一人のリーダーである葛城康平との間には確執があり、クラスメイトからはある意味で「両極端」な二人だと評されている。無人島試験の際に初めて言及された。
葛城との対立によりAクラスは「坂柳派」と「葛城派」の二つに分かれており、坂柳の過激で大胆なやり方は、保守的で堅実な葛城と鮮明な対照をなしている。旅行中の無人島サバイバル、干支試験、そしてその後の体育祭を欠席しながらも、手下を遠隔操作して葛城を牽制し続けた。葛城がこれらの競技でAクラスを率いて目立った実績を残せなかったのは、坂柳が追随者に命じて裏で妨害工作を行わせたことも原因の一つである。数回の特別試験を経て、クラス内では坂柳派が圧倒的に優勢な状況となった。
実際には、無人島以来のDクラスに端を発する様々な騒動を舞台裏で分析・推察し続けており、一貫して綾小路清隆強引に
綾小路が体育祭の最終種目で真の身体能力を露呈した際、即座にすべての黒幕である綾小路を特定した。体育祭の後、神室真澄を介して間接的に綾小路を呼び出し、これが「8年243日」ぶりの再会であると告げた。そして、自分が一方的に彼を知っていること、さらに綾小路を「葬り去りたい」という敵対的な立場を面と向かって宣言した。これに対する綾小路の返答は、「君に、僕が葬れるのか?」坂柳はこの答えに笑い声で応じ、今後は綾小路の父親の「最高傑作」を破壊することを宿願とすることを明確に示した。
現在、綾小路の過去である「ホワイトルーム」での経歴を明確に知る唯一の生徒である。
SS短編『坂柳有栖の日常――期末試験の舞台裏編』にて、神室を連れて葛城および戸塚弥彦会談。会話の中で葛城は闘争を継続することを諦める立場を表明し、クラスリーダー争いから身を引いた。
坂柳の心理描写では、彼女が綾小路を見つける前は、決して軽んじて葛城やBクラスの一之瀬帆波面々を自分のライバルと見なさないわけではなかったが、唯一面白いと自分に挑む資格があると感じていたのはCクラスの龍園翔;しかし綾小路に出会ってからは、彼女の眼中に彼以外の生徒はいなくなった。葛城との会談が終わると、神室に監視対象を葛城から綾小路に変更するよう命じた。
第7巻では、坂柳が高度育成高等学校の坂柳理事長娘であることが明かされた。
2学期期末試験終了後、一之瀬と共に遊ぶ。龍園が高円寺を挑発しているところに「偶然」通りかかり、堂々と傍観しさらに龍園をからかった。。

12月23日、ケヤキモールで綾小路と偶然出会い、会話の中で今後一之瀬のいるBクラスを暇つぶしの対象として壊滅させる意向を明かす。そして、「人間は生まれ持った才能には決して抗えない。人間にはどれほど努力しても埋められない差が存在する」という自身の信条を綾小路に伝えた。神室と合流後、綾小路に「真澄さんは一之瀬さんとよく似ている」という情報を漏らす。
廊下で山内春樹に不注意に突き飛ばされ、綾小路に目撃される。山内とトラブルになることはなかったが、心の中では「彼も一度転ばせてあげよう」と画策する。
SS特典『ある夏の日の出来事』にて、中学3年生の夏休みに一人で海へ行った経験を明かしている。風で飛ばされた麦わら帽子を拾おうとして体力を使い果たし、ベンチで眠ってしまう。目が覚めると、ペットボトルで押さえられた帽子と、暑さ対策として自分の首に巻かれた水が滴る男性用のハンカチを見つける。周囲を見渡した際、かつて目撃したことのある綾小路らしき後ろ姿を発見した。
入手南雲雅の黙認を得た後、坂柳は一之瀬に対して「少し手荒な」作戦を仕掛けようとする。生徒会室を去る際、南雲を訪ねてきた櫛田桔梗。
を通じて橋本正義らを使って校内に一之瀬に関する噂を流し、それによって一之瀬の精神面を攻撃した。一之瀬は複数の要因が重なり体調を崩す。学年末試験前日の2月24日、一之瀬がようやく教室に現れると、坂柳もBクラスの教室へ向かい一之瀬を正面から打ち負かそうとするが、綾小路の事前の根回しにより目的を果たすことはできなかった。その後、1階の玄関で綾小路と会い、一之瀬を救うためのヒントを自ら綾小路に漏らした真相を明かし、「自ら一之瀬を陥れ、自ら彼女を援助する」のはすべて綾小路に対決への興味を持たせるためだったと語る。最後に綾小路へ宣戦布告し、次の試験で決着をつけることを告げた。
突如行われた追加試験がクラス内で行われるものだったため、綾小路に休戦を申し入れ、綾小路が高い順位を獲得できるよう協力した。同時に、以前自分を突き飛ばした山内を退学に追い込んだ。試験終了後、再び綾小路を呼び出すが、二人の会談は新任の理事長代理である月城の乱入によって中断される。綾小路は今後、月城が彼の退学を目的に行動することを告げられる。月城が去った後、綾小路と坂柳は1年生最後の特別試験で真の対決をすることを約束した。
学年末最後の特別試験で、念願だった綾小路との対決を果たす。司令塔を務める中で、強靭なメンタルと決断力を発揮した。綾小路や高円寺と同様に、フラッシュ暗算の最終問題を軽々と解いてみせた。
最終決戦のチェスで、待ち望んでいた綾小路との決戦に臨み、勝利を収め、クラスを勝利に導いた。しかし試験終了後、月城によって綾小路の決定的な一手に介入があったという内幕が明かされる。坂柳は学校側が二人の対決に干渉した事実に激怒した。その後、二人は図書室で再対決を行い、綾小路が勝利した。坂柳は潔く自身の敗北を認め、綾小路こそが本物の天才であり、偽物ではないと認めた。かつて「ホワイトルーム」で綾小路が圧倒的な実力を見せていた姿を目撃したこと、それがきっかけでチェスを始め、彼との対局を心待ちにしていたことを綾小路に伝えた。
その後の帰り道で、綾小路に対し「1秒でも長く、綾小路くんと同じ場所にいたい」という願いを明かし、右手を差し出す。綾小路が握手を求めているのだと思ったところで、左手で彼の手を包み込み、「人は触れ合うことで、温もりを知ることができる。それはとても大切なこと。肌の温もりは決して悪いものではありません。それを覚えておいてほしい」という、彼に伝えたかった遅すぎたメッセージを口にした。はっきり言えば愛の告白であるが、綾小路はその真意を理解していなかった。二人は日常の会話を交わしながら共に寮へと戻った。
卒業式の最中に綾小路と茶柱佐枝および真嶋智也二人の担任教師との面会に乱入した。教師たちに対し、自分と綾小路は
面会終了後、綾小路と共にその場を去り、今後は綾小路と共に月城を排除するために尽力する姿勢を示した。綾小路はこの件に関して坂柳への信頼を口にした。
| 「 | もちろん構いませんよ。 対決を望まれるのであれば、こちらはいつでもお相手いたしますので、ご安心を。 |
」 |
| ——坂柳有栖 | ||
1年生総評:学力A(93) 身体能力D-(25) 機転思考力B+(80) 社会貢献性B-(65) 総合力:B(66)
(追記待ち)
坂柳クラスの5回目の課題の初回投票では賛成2票だったが、これは初回での一致を避けるためのコントロールであり、実際には4人のうち賛成2、反対2であった。坂柳が反対の理由を説明すると、2回目には反対で一致し、特別試験を最速で終えたクラスとなった
12月26日の夜、坂柳は再び綾小路の部屋を訪れケーキを持参する。食べ終えた後、二人は散歩に出かけ、綾小路が帰る際に坂柳は彼に告白した。
| ルール |
|---|
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一般生、優等生、教師、卒業生、上級生、下級生、裏切り者の役職を演じ、議論を行う。各クラスの代表者は、生徒を7人1組のグループに分け、計5グループを作成する。(同じグループを連続して使用することはできず、間に休憩を挟まなければならない。参加者が35人に満たない場合は、必要に応じて同一人物を2つのグループに参加させることができる) 手順:①各クラスの代表者は議論に参加するグループを1つ選択する。②各クラス7人ずつ計14人による議論をスクリーン越しに観賞する(1ラウンド5分)。③各ラウンド終了後、代表者は参加者を1名指定し、その役職を予想できる(1ラウンドにつき最大1名まで、パスも可能)。④予想の正誤に応じて代表者のライフが変動する。代表者が1名または2名の生徒を優等生として指名し、的中した場合はその生徒は退場となり役職が公開されるが、不正解の場合は公開されない。⑤一般生側または優等生側の全滅でその局は終了し、代表者のライフが0になってもその局は終了する。議論の席に残った全生徒には5000プライベートポイントが贈られる。大将のライフが0になった時点で試験終了となる(両クラスの大将のライフが同時に0になった場合は、ライフを1に回復して再戦する。勝敗が決まるまでこれを繰り返す)。各局の終了時または代表者の交代時には、インターバル(休憩時間)に入る。 代表者は一般生、優等生、裏切り者以外の役職に対し「役職持ち」として広範囲の指名を行うことができるが、この場合は正解数にはカウントされず、具体的な役職も公開されない。待機中の代表者以外の生徒は全員スクリーンで議論を観賞できる。同一ラウンド内で各代表者が互いに指名に成功した場合は、相殺される。
◎一般生 6~8人:誤って指名(「役職持ち」を含む、以下同様)された場合、指名者はライフを1失う。 ☆優等生 2人:互いに相手の正体を知っている。代表者が指名に成功した場合、相手はライフを3失い、失敗した場合は指名者がライフを2失う。代表者がパスを選択した場合、ラウンド終了後に優等生が参加者1名を指定して退場させる(場に2名いる場合はランダムに指名権が与えられ、優等生は優等生を指名できない)。 ◇教師 1人:「役職持ち」と指名された場合、相手はライフを1失う。「教師」と指名された場合は2失う。誤って指名された場合、指名者はライフを2失う。スキル:1回のみ使用可能。ラウンド終了時に生徒1名を指定し、優等生による退場を防ぐことができる。 □卒業生 1人:「役職持ち」と指名された場合、相手はライフを1失う。「卒業生」と指名された場合は2失う。誤って指名された場合、指名者はライフを2失う。スキル:各ラウンド終了時、生徒1名を指名してその正体を知ることができる(裏切り者は一般生として認識される)。 ▽下級生 1人:「役職持ち」と指名された場合、指名者はライフを1回復する。「下級生」と指名された場合は2回復する。誤って指名された場合、ライフを1失う。もしAが下級生の正体を見抜き、Bが教師を「役職持ち」と指名し、両者が正解だった場合、精算後にAのライフをさらに1回復させる。 △上級生 1人:「役職持ち」と指名された場合、相手はライフを1失い、さらにランダムに選ばれた参加者2名の正体が代表者に公開される。誤って指名された場合、指名した代表者はライフを1失う。 ※裏切り者 0~2人(各クラス試験中に1回のみ使用可能):代表者は相手クラスの参加者1名を裏切り者に指定できる。各ラウンド中にランダムに選ばれた参加者1名(優等生を除く)の正体が、裏切り者を指定した代表者に明かされる。誤って指名された場合、指名した代表者はライフを2失い、相手の代表者は再び裏切り者を使用できる。「優等生」が「裏切り者」を退場させようとした場合は無効となり、退場しない。「裏切り者」が相手の代表者に誤って指名された場合、代表者との対話を行わない限り退場しない。 各役職の報酬:一般生が勝利した場合、一般生全員が1万プライベートポイントを獲得する。優等生が役職持ちの生徒を指名するたびに5000プライベートポイントを獲得し、優等生が勝利した場合は50万プライベートポイントを獲得する。教師と卒業生が議論終了まで退場しなかった場合、5万プライベートポイントを獲得する。上級生と下級生が優等生によって退場させられた場合、その役職を演じた生徒は5万プライベートポイントを獲得する。裏切り者が議論終了まで退場しなかった場合、500万プライベートポイントまたは50クラスポイントのいずれかを選択できる。両方の代表者が指名に成功した場合は、相殺される。 質問:ターン終了時、代表者の要求があった場合に限り、別室で1対1の対話を行うことができる(対話中、互いに特別試験の経過や詳細なルールについて話すことは禁止されている)。①対話を行う ②参加者が自分が裏切り者であることを認めるか ③代表者がその人物を裏切り者か無罪か判定し、選択を行う ④結果:参加者が裏切り者の場合:裏切り者が認め、かつ代表者がその人物を裏切り者と判定した場合、情報の漏洩を停止し、その報酬を剥奪する。裏切り者が否定し、かつ代表者がその人物を裏切り者と判定した場合、裏切り者は退学となる。代表者がその人物を無罪と判定した場合、代表者はライフを5失う 参加者が裏切り者でない場合:代表者がその人物を裏切り者と判定した場合、代表者はライフを1失う。代表者がその人物を無罪と判定した場合、ペナルティはない |
Aクラス VS Cクラスの流れ
第1戦 2年Aクラス 清水直樹☆ 町田浩二 吉田健太 福山詩暢 元土肥千佳子 矢野小春 六角百恵
2年Cクラス 園田正志 小田拓海 山田アルベルト 吉本功節 磯山渚沙 山下沙希 木下美野里
第1ラウンド、西野が吉田を誤って指名し、ライフを1失う。教師がスキルを使用し、吉田のみ退場。第2ラウンド、誤指名によりライフを2失い、福山が退場。第3ラウンド、全員パス、磯山が退場。第4ラウンド、清水が卒業生を名乗り西野に指名され、西野はライフを2失い退場。
第2戦 Aクラス 里中聡 司城大河 杉尾大 森重卓郎 谷原真緒 塚地詩織 山村美紀
Cクラス 伊吹澪 井上都亜 岡部冬 鈴平美羽 諸藤梨花 矢島麻里子 夕部由佳
第1ラウンド、葛城が森重を有職者と正しく指名し、真田がライフを1失う。第2ラウンド、真田が諸藤を優等生と誤って指名し、真田がライフを2失う。第3ラウンド、葛城が塚地を有職者と誤指名し、葛城がライフを1失い、里中が退場。第4ラウンド、スキップされ岡部が退場。第5ラウンド、真田が有職者を誤指名し、ライフを2失い退場。
第3戦 鬼頭が3回誤指名し、ライフを4失う。葛城が第4ラウンドで山脇を優等生と正しく指名し、鬼頭がライフを3失い退場。
第4戦、両者がスキップする中、坂柳は心理戦を通じて葛城に坂柳がすべてを見抜いていると思わせる。第2ラウンド、葛城が有職者の指名に成功し、坂柳がライフを1失う。その後、葛城のライフが残り1となり、坂柳はわざと自分が澤田を優等生として指名する様子を見せたが、葛城はそれを信じず、結果としてライフを3失い退場した。
第5戦 2年Aクラス 柳橋元史☆ 石田優介 島崎一慶▽ 鳥羽茂◎ 田宮江美 森下藍□ 小鳥遊甲☆
2年Cクラス 石崎大地 金田悟△ 小宮葉吾◎ 中泉昌平 角倉真美 宝島美子※ 旗手薫
坂柳が宝島を裏切り者に指定する。第1ラウンド、龍園が田宮を優等生と誤指名しライフを1失う。龍園が中泉を問い詰め、教師が能力を発動、退場者なし。第2ラウンド、龍園が森下を有職者と指名、坂柳が彼女を卒業生と指名。龍園がライフを1失う。龍園が金田を問い詰め、坂柳は島崎が下級生であることを知る。第3ラウンド、坂柳が彼を下級生と指名、龍園が彼を有職者と指名。坂柳がライフを1回復し、金田が上級生であることを知る。第4ラウンド、坂柳が金田を指名し、小宮と鳥羽が一般生であることを知る。龍園が小鳥遊を優等生と指名し、坂柳がライフを2失う。3ダメージ引かれるはずだ龍園は宝島の裏切り者の正体を見破る。第5ラウンド、坂柳が柳橋を優等生として指名し、龍園は2ダメージを受け、この局は終了した。
第6局Aクラス 清水直樹 町田浩二☆ 吉田健太 福山忍 元土肥千佳子 矢野小春 六角百恵☆
Cクラス 近藤玲音 鈴木英俊 時任裕也 野村雄二 阿佐谷舞 椎名ひより 藤崎凛菜
第1ラウンド、双方が阿佐谷を有職者と指名し、引き分け。第2ラウンド、清水と時任の言い争いを椎名が制止し、二人はパスを選択、椎名が退場。第3、4ラウンド、二人は町田、六角を優等生として指名し、引き分け。
第7局、第1、2ラウンドは二人がパス。第3、4ラウンドは有職者の指名で引き分け。第5ラウンド、龍園が下級生の役職指名に成功し、ライフが7点まで回復した。第6ラウンドは二人がパス。
第8局、坂柳が有職者を指名、龍園は指名ミスで2ダメージ。第4、5ラウンド、双方が有職者と優等生の指名に成功し、引き分け。第6ラウンドは双方がパス。第7ラウンド、双方が優等生の指名に成功。
第9局、龍園は第2ラウンドのミスで1ダメージ。第4ラウンド、龍園が西を優等生として指名し、坂柳は3ダメージ。第5ラウンド、坂柳が帆足を優等生として指名し、龍園は3ダメージ。この時点で、龍園と坂柳のライフは1対5。龍園は負けを認め、綾小路が龍園に、負けそうになったら橋本を裏切り者として指名し、橋本に坂柳への伝言を託すよう指示していたことを明かす。
第10局、二人はその通りにするが、橋本は何の伝言も知らない。二人が回答しようとした時、坂柳は再考し、綾小路が望んでいる勝者は自分ではないことに気づき、最終的に橋本が裏切り者であることを否定して、試験に敗北した。
| 原文 |
|---|
|
綾小路が伝えたかったことは一体何なのか? 橋本に託した伝言の内容は何だったのか。目の前のこの男を許すことなのだろうか。一つの答えは出たが、坂柳の心には依然として強い違和感があった。 彼女は静かに目を閉じる。この答えは綾小路の伝言ではない。 この特別試験でなくても、橋本を許すことはできる。このような曖昧な局面でなくても、龍園をあっさりと退学させた後でも可能だ。今この時でなければ意味をなさない伝言ではない。 常人離れした頭脳が高速で回転し、答えを導き出す。 思考。思考。思考。思考。思考。 「あ……」そして、坂柳の脳裏に、あの隠された伝言が浮かび上がった。 なるほど……そう……ですか……? いいえ。認めたくありません。 この伝言を、認めたくありません。 だから、クエスチョンマークを付けるのです。 付けた上で、それが正解かどうかを脳で確認します。 綾小路が坂柳に送った伝言とは、一体何だったのでしょうか。 その伝言は、決して龍園や橋本に聞かせてはならないものでした。 龍園と対戦して初めて見えてくる、綾小路の真意。 それはあまりにも、坂柳にとっては残酷すぎる伝言でした。 「彼も……嘘つきですね」 退学を賭けた坂柳と龍園の対決。 その真の目的は、綾小路と心置きなく戦うこと。 だから、この対決は邪魔な相手を排除するためのものでした。 そして、それを察していた綾小路は、どちらにも肩入れしないと決めていました。 そう決めてはいたものの、実際にはどちらに残ってほしいかと問われれば、彼の中にはすでに答えがあったのです。 綾小路が望んでいる対戦相手は龍園翔だ。 彼は間違いなくこの対決を邪魔するつもりはないのだろう。恩返しを理由に、助言などの形で助けを申し出たのも、坂柳が必ず断ることを見越してのことだ。 一連の行動はすべて、崖っぷちに立たされた龍園に、わずかな逆転の助けを与えるためのものだった。 坂柳はずっと、その後に綾小路と、真の対決をすることを期待していた。 だが、綾小路はどう思っているのだろうか。 坂柳は、彼が4クラスの均衡を前提に行動していることを知っている。 彼の困った顔が見たくて、綾小路の計画を邪魔したこともある。 しかし根本的な理由は、彼女が綾小路との決戦を期待しているからだ。 坂柳は、自分こそが彼に相応しい相手だと信じ、そしてずっと願ってきた。 しかし、それは坂柳の独りよがりに過ぎない。これは知力に長けた坂柳にしか見えない、確かな未来だ。 綾小路はこれからも近くで龍園の成長を見守り、彼からの挑戦状を受け取りたいと考えている。 この戦いにおいて、坂柳が龍園との対決をもっと楽しみたいと思ったのと同じように。 龍園にとどめを刺すのは簡単だ。 ほんの少し指を動かすだけで、自分の勝利を確定させることができるからだ。 そして、またあなたの計画を狂わせてあげた、と言えばいい。 望んでいた対決を迎えることができる。 だが――それはなんと滑稽な姿だろうか。 坂柳有栖は、綾小路清隆に望まれていない。 たとえ坂柳が勝利しても、綾小路は喜ばない、それが現実だ。誰にも見えない未来を、自分だけは見えてしまう。生まれて初めて、坂柳は自分の思考を憎いと感じた。 何も知りたくなかった、滑稽な自分に気づきたくなかった。 クラスの立場から考えれば、ここは勝利を優先しなければならない。 山村たちクラスメイトの姿が一瞬、脳裏をよぎる。 神室との約束を果たす、あるいは橋本と和解する、そんな未来も訪れたかもしれない。 学校生活を続けることは、決して悪いことではないだろう。 しかし、坂柳が望むことはその先には待っていない。 それは坂柳にとって、かけがえのない、苦痛な現実だった。 「ここで負けなさい」 それが綾小路からの伝言だった。 他の誰も気づかなかった伝言を、坂柳は確かに受け取った。 愛しい人から送られた残酷な言葉を前にしても、坂柳はふっと微笑み、瞳を閉じた。 そうしなければ、自分も橋本と同じように、涙が溢れ出してしまうことを知っていたからだ。 「時間です。橋本君、自白をお願いします」 対話の終了が告げられた。 坂柳が、ここまで自分を欺かなかった橋本に対して、求めた答えは。 「あ……俺は裏切——」 声を詰まらせながらも言葉を紡ごうとする橋本を、坂柳は静かに遮った。 「なるほど。そうですね、あなたは裏切り者ではありません」 橋本は目を見開いた。 「おい、坂柳……? 何をしようと——」 今、橋本には、次にどう答えるべきか分からなかった。 「おまえ、どうして……」 「それが綾小路君からの伝言だからです。ただ、それだけのこと」 坂柳が出した結論。 「坂柳さんは裏切り者を見抜けず、ライフを5失います」 新たな退学者たちが現れた。学年末特別試験が幕を閉じる。 龍園翔は敗れた。 坂柳有栖も敗れた。 その矛盾の中に、確かに勝者と敗者が存在していた。 |